診療科・部門紹介

臨床検査科

部門紹介

海老名総合病院・海老名メディカルプラザの2施設で連携体制をとり、採血業務・検体検査・生理機能検査・超音波検査・耳鼻科検査・産科検査・当直業務などを行っています。

理念
  • 臨床検査の担い手として、地域医療及び公衆衛生の向上に貢献する
  • 学術の研磨に励み、高い専門性を維持することに努める
  • 適切な臨床検査情報を迅速かつ正確に提供し、人権の尊重に徹する
  • 医療人として、チ-ム医療の調和に努め、急性期医療に貢献する
体制

24時間365日検査対応

検体検査室

採取した血液・尿・髄液・便などの検体を用いて生化学検査、感染症・免疫学検査、血液学検査、輸血検査、細菌検査など様々な検査を行っています。良質な検査結果を迅速に報告するため、教育と測定機器のメンテナンスやデータ管理(内部精度管理・外部精度管理)を行い、検査精度の保障に努めています。
「臨床検査データが標準化されており、かつ精度が十分に保証されている」と評価できる施設として、『品質保証施設認証』を取得しています。
これからも良質な検査結果を迅速に報告し、信頼される検査室を目指します。

検体検査の流れ

採血部門

受付時間

午前7:45~受付開始
※機械受付停止時は機械横にあるボタンにてお呼び出し下さい。
※土曜日午後、日曜・祝日は採血コーナーでの受付は行っておりません。

案内図

本館入口より入られる場合

  1. 総合案内(1番)または再来受付機にて受付
  2. 正面受付カウンターを左へ曲がる
  3. 東館エレベーター前を右へ曲がり、1階13番へお越しください

西館入口より入られる場合

  1. 17番受付カウンターを右へ曲がる
  2. 東館エレベーター前を左へ曲がり、1階13番へお越しください

※受付時に採尿コップが出てきた方は採尿検査もございます
採血コーナー近くのトイレにて採尿し、コップの提出をお願いします

検体検査の項目
生化学検査

生化学検査では、血液・尿などから蛋白質や肝機能(AST, ALT, γ-GTP等)、腎機能(BUN, クレアチニン等)、電解質・無機物質(ナトリウム, カリウム,鉄等)、脂質(中性脂肪, LDLコレステロール、HDLコレステロール等)、血糖値、HbA1cなど約40項目を自動分析装置により測定しています。また、薬物血中濃度検査も行っており、抗生物質などの血中濃度を測定することで、安全で適切な投薬に必要な情報提供を行っています。
採血は針を刺す事による痛みがありますが、血液には体内の状態を把握するための多くの情報が含まれています。
検査スタッフは迅速かつ精確に検査結果が報告できるよう、検査機械や試薬の保守点検および精度保証に努めています。

感染症・免疫学検査

免疫学検査では、感染症検査、内分泌(ホルモン)検査を実施しています。
感染症検査では、B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス・梅毒などについて検査を行っています。
内分泌検査では、甲状腺ホルモン・胎盤ホルモンなどの項目を測定し、体の状態や病気の状態を把握することができます。

血液学検査

血液一般検査は、自動分析装置により血液中の血球(赤血球数、白血球数、血小板数、ヘモグロビン量など)成分を調べることで、貧血や感染症、血液疾患などがわかります。
しかし、機械での血球分類には限界があるため、血液に異常の可能性がある場合や骨髄穿刺液の場合は、高度な専門知識を持った担当者が顕微鏡を用いて血液細胞を分類する形態学的検査を行っています。
また、当院では毎月、血液内科・病理診断科の医師と症例検討会を実施し、学術の向上に努めています。

凝固検査は血液の固まりやすさを調べる検査で、自動分析装置にてAPTT、PT、フィブリノーゲン、Dダイマーなどを測定し、血栓症のリスクや出血のリスク把握、抗凝固薬(ワーファリンなど)のモニタリング等に役立つ検査です。

輸血検査

輸血が必要な場合、以下の3つの検査を行います。

血液型
ABO型・Rh(D)型を判定します。
不規則性抗体スクリーニング
輸血副作用の原因となる抗体を調べる検査で、赤血球輸血を行う際は必ず検査を行います。抗体保有者には抗体のない血液製剤を準備します。
交差適合試験
患者さんの血液と輸血製剤が適合しているか検査します。

自己血輸血 輸血による副作用を防止するために、予定手術では自己血輸血が推奨されています。当院の泌尿器科、産科などの予定手術においても積極的に自己血輸血を行っています。

一般検査

尿、便、髄液などの成分を調べます。

尿定性検査
自働分析装置を使用し、尿中の糖・蛋白・潜血などを調べます。
尿沈査
尿中の細胞・細菌・結晶など顕微鏡で観察します。
腎疾患や尿路感染症などの診断に重要です。
便潜血検査
便潜血反応の有無から下部消化管出血があるか調べます。
大腸癌などの診断の手助けとなります。
その他・迅速検査

インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルスや溶連菌、肺炎球菌などの感染を確かめるための迅速検査も行っています。

微生物検査

微生物検査では、塗抹検査(グラム染色)、培養・同定検査、薬剤感受性検査を行っています。これらの検査を行うことで、感染症の原因菌を特定し、有効な薬(抗菌薬)を調べることができます。
原因菌を見つけ、検査するためにはその原因菌を増やす必要がありますが、菌は生き物であり、増えるまでに時間がかかります。そのため、他の検査よりも時間が必要な検査になります。

その他、微生物検査担当者は感染制御室との連携や、ICT活動やAST活動への参加を行い、医師や看護師、薬剤師とともに院内感染対策や抗菌薬の適正使用活動などを行っています。

生理機能検査・超音波検査

生理機能検査は循環器、呼吸器、神経機能の各種予約検査および緊急検査や手術中の神経モニタリング検査を行っています。超音波検査は心臓・腹部・表在・血管のほか、妊婦検診における胎児のスクリーニングや4Dエコーを行っており、医師立ち会いのもと、経食道心エコーや造影エコー、エコーガイド下肝生検なども行っています。

安心して検査を受けていただけるよう、日々専門知識・技術・接遇の向上に努めています。

生理検査の流れ
生理機能検査
安静時12誘導心電図 【3〜5分】

手首、足首、胸部に直接電極を取り付け、心臓の電気的活動を波形として記録します。不整脈や電解質異常、心筋梗塞など心筋の虚血がわかります。

マスター負荷心電図 【15〜20分】

安静時心電図記録後、一定の時間 (45秒〜4分30秒) 階段昇降運動を行い、心臓に負荷をかけた後の心電図変化をみる検査です。階段昇降の回数は年齢、性別、体重で決まります。

トレッドミル負荷心電図 【30分~】

運動負荷検査の一つで、心電図、血圧をモニターしながら、ベルトコンベアの上を歩きます。ベルトコンベアの速度や傾斜を漸増させることで心臓に負荷をかけ、安静時には分からない狭心症や不整脈などの診断を行います。
必ず循環器医立ち合いの元、検査を実施しています。

ホルター心電図(24時間心電図)

日常生活の心電図を24時間記録することにより、短い時間で捉えきれない変化を記録します。
機器取り付けと説明は15〜20分程度で、携帯型の心電図記録機を首から下げるかベルトで腰に巻きつけます。
当院では、72時間装着で自覚症状時の心電図記録するイベントホルター心電図も行っています。

血圧脈波検査(ABPI・PWV) 【15〜20分】

腕と足の血圧比や脈波を測定し、足の動脈の詰まりや動脈の硬さの程度をみる検査です。
両腕と両足首に血圧計カフを巻き、血圧測定と同じ要領で加圧し、徐々に減圧していきます。

皮膚灌流圧(SPP) 【30分〜1時間】

動脈硬化による末梢循環不全が疑われる際に行う検査です。病変部に血圧計カフを巻きつけ、皮膚表面の毛細血管内の赤血球の動きから灌流圧を測定し、循環不全の度合いを調べます。

脳波検査 【1時間〜2時間】

頭皮に電極を装着し、脳内で発生している微弱な電気活動を波形として記録する検査です。専用の部屋で安静にして頂き、覚醒時〜睡眠時の脳波記録のほか、開閉眼、光刺激、過呼吸などの賦活を行うことがあります。

聴性脳幹反応(ABR検査) 【1時間〜2時間】

音が聞こえると活性化する脳内聴覚経路の電位変動を記録します。聴覚障害を他覚的に捉えることが出来るため、乳幼児や意識障害時の聴力評価に用いられます。

また、当院では新生児の聴力スクリーニングとして新生児ABR検査も行っています。

神経伝導速度(MCV・SCV) 【1時間】

末梢神経障害を調べる検査で手足の神経に経皮的に微量の電気刺激を与え、神経やその支配筋から発生する電位を記録します。

肺機能検査 【15〜30分】 精密肺機能検査【1時間】

大きく息を吸ったり吐いたりして、肺の容積や換気能力を調べる検査です。正確な測定が出来るように担当技師が声をかけて誘導しますが、検査を受ける方の頑張りが必要です。当院では、肺活量、努力性肺活量などの一般的検査に加え、機能的残器量や肺拡散能力などの精密検査も行っています。

術中神経モニタリング

手術操作により障害を受ける可能性のある脳機能や神経機能を監視することで、手術後神経障害の出現リスクを回避・低減します。当院では脳神経外科の手術においてSSEP(体性感覚誘発電位)、MEP(運動誘発電位)、ABR(聴性脳幹反応)、AMR(異常筋反応)などの術中モニタリングを行っています。

超音波検査
心臓検査 【30分】

胸骨・肋骨の間に小さな機械をあてて検査します。
心臓の動きや4つの部屋の大きさ、弁の状態、血液の流れに異常がないかなどを検査します。

腹部検査 【15〜20分】

肝臓・胆嚢・腎臓・膵臓・脾臓などを中心に、内臓の形態や大きさ、腫瘍がないか、などを検査していきます。※基本、食後7時間での検査となります。
膀胱や前立腺・子宮・卵巣の検査では、あらかじめ尿を溜めた状態で行います。

乳腺検査 【15分〜30分】

乳がんの早期発見に力を入れています。
乳房に直接機械をあてて、乳腺の状態や腫瘍の有無などを検査します。
男性の検査もあります。

甲状腺検査 【15分〜20分】

形態や大きさ、腫瘍の有無などを検査します。
甲状腺機能亢進症・低下症の評価も行います。

※腹部・乳腺・甲状腺といった検査は、病棟患者の方のみを総合病院にて実施、外来患者の方はメディカルプラザにて検査を実施しています。

頚動脈検査 【15分〜20分】

首を通り脳内に向かう動脈を検査します。
動脈硬化で血管が細くなっていないか、左右の血流に差がないか、などを調べます。

下肢静脈検査 【15分〜30分】

足の付け根〜足首までの主要な静脈の中に血栓が無いかを検査します。
また、静脈瘤の有無なども検査しています。

造影超音波検査 【20〜40分】

造影剤を使って超音波検査を行います。
医師同席のもと、肝臓病変などの血流評価をしています。検査前に点滴を行います。
※基本、食後7時間での検査となります。
※卵アレルギーのある方は検査ができません。

経食道心臓超音波検査 【1時間前後】

循環器医師が行います。喉に麻酔をかけて、胃カメラ検査の要領で超音波用の器具を飲みます。検査前に点滴を行うことがあります。
食道から心臓の弁などを詳しく検査します。

胎児スクリーニング 【30分前後】

中期(20週前後)は産科外来に行っています。
超音波検査室では、後期(30週前後)スクリーニングを担当しています。発育状態や、奇形の有無、羊水量、臍の緒などについて詳しく検査を行います。
出生前にすべての異常を見つけ出すことはできませんが、妊娠中や分娩時の管理が必要な異常の早期発見に力を入れています。

胎児4D撮影 【20分程度】 ※検査ではありません

当院妊婦検診の方対象に行っています(25-30週あたりがふっくらとしてきてみやすい時期です)。
赤ちゃんのお顔や手足の動きなど、妊婦さんだけでなく、ご家族の方と一緒に見ることができます。
指しゃぶりや、あくび姿など可愛いしぐさが見られることも・・・
データは、DVDに録画してお渡ししています。(胎児の向きによってはお顔が見えない事もあります)
※胎児の向きによってはお顔が見えない事もあります。
※動画再生にはWindows Media Playerが必要です。DVDプレーヤーやゲーム機では再生できません。

多職種連携
ER業務

現在、法改正により臨床検査技師の業務が拡大しています。
当院では、救急外来(ER)に臨床検査技師を配置し、心電図や採血、血液培養採取や静脈路確保、検体採取といった業務を医師、看護師、救命士と連携して実施しています。

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