病理診断技術科、病理医の指導のもと 臨床検査技師 常勤 8名 非常勤 1名のチーム一丸となって、病理診断業務に携わって検査しています。
私たち臨床検査技師として、「患者さんに良質な医療提供を行う事」とは、病理診断において、的確かつ正確な標本を迅速に作製し病理医に届けることであります。
その為にも、「検体と依頼書を通じて患者さんをみる」という理念を持って検査を行っています。
また、技術向上と知識獲得のため、部署内での勉強会実施や院内発表、そして院外での勉強会参加や学会での発表も行っています。
HE標本作製、色素法による特殊染色、迅速組織標本作製、免疫組織化学染色、In situ hybridaization(ISH、FISH)、腎蛍光抗体法、酵素組織化学染色、PCR法
Pap標本作製、その他組織検査に順ずる特殊染色、セルブロック作製、LBC標本作製、スクリーング、報告書発
解剖補助/標本作製
組織検査、細胞診検査、迅速組織診断、解剖などの検査を、ローテーションを組んで取り組んでいます。
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|---|
組織診断 | 8,067件 | 7,579件 | 7,947件 | 8,173件 | 7,721件 |
細胞診断 | 9,447件 | 10,704件 | 11,800件 | 14,010件 | 14,084件 |
迅速診断 | 154件 | 149件 | 166件 | 147件 | 137件 |
病理解剖 | 8件 | 11件 | 15件 | 6件 | 7件 |
内視鏡や手術によって摘出された臓器(以下:組織)が検体となります。
組織検体はホルマリン固定後、切り出し→包埋→簿切→染色(HE染色)といった工程を経て標本を作製し、病理医より診断されます。
固定から標本作製までに時間を要するため、摘出から診断・報告までに2日〜7日(特殊な病変の場合10日程度)かかります。
包埋装置
包埋
薄切
貼り付け
未染色スライドガラス
染色装置
病理診断では、基本とするHE染色以外に必要に応じて様々な特性を持った染色を行うことがあります。
院内で行っている特殊染色は、色素法、26種類。免疫組織化学染色は、約100種類行っています。(2018年3月現在)
これらの特殊染色により、治療薬の選択や治療方針の指標になることがあります。
染色エリア
特殊染色
免疫染色
HE染色
PAS染色
HER2/FISH
手術の切除範囲の決定等で行う手術中の病理診断は、迅速に結果を出さないといけません。そのため組織を急速凍結(-80℃)し専用の機械(クリオスタット)にて薄切後、染色し標本を作製します。
通常のホルマリン固定とは違い、標本作製から病理医の診断・報告までが約30分以内に速やかに行われます。
凍結切片作整
細胞診検査は組織検査とは違い、比較的患者さんに対して侵襲の少ない検査です。
喀痰や尿、婦人科スメア標本などが、細胞診検体の対象となります。
また、組織検査と比べ固定時間が短いことから、採取から結果報告は、1日〜5日程度で行っています。
細胞診検体処理場
検体より、スライドガラス標本を作製します。
検体によっては、外来に出向き臨床医と共に検体採取の介助や標本作製を行います。
LBC標本
パパニコロウ染色
グロコット染色
細胞検査士が全検体のスクリーニングを行います。異型細胞の見られる症例は全例、細胞診指導医と細胞検査士でディスカッションを行い確認後、結果を報告しています。
スクリーニング
ウイルス検査
Realtime PCR機
異型性
遺族承諾を得た臨床医の依頼により、死因の解明と治療の評価のため病理医と共に解剖に入り、介助を行っています。
また、組織検査と同様に標本を作製し病理医より診断されます。