通常、臨床研究は文書もしくは口頭で充分な説明を行い、患者様からの同意(インフォームドコンセント)を得て行われます。これを「オプトイン」と呼びます。なお、同意には、主として「文書による同意」と「口頭による同意」がありますが、臨床研究に関わる同意は、文書による明確な同意を基本とします。
臨床研究のうち、観察研究(対象となる患者さんの診療データのみを匿名化して用いる研究)においては、患者さんに対して研究を目的とした積極的な侵襲や介入がないため、国が定めた倫理方針に基づき、「必ずしも対象となる患者さん一人ずつから、臨床研究ごとに直接同意を得る必要はない」とされております。しかし、「研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を通知または公開し、さらに可能な限り拒否の機会を保障することが必要」とされており、このような方法を「オプトアウト」といいます。
上記のような臨床研究のために、患者さん自身のデータが使用されることを望まれない場合や、ご不明な点がございましたら、お手数ですが各研究担当者までお知らせください。
NCD(National Clinical Database)登録
2011年1月1日より外科系手術患者様のデータを全国的に登録するという事業が始まりました。この事業は、全国の手術治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て最善の医療を提供することを目的としております。
当院も登録施設になっており、一般社団法人National Clinical Database(NCD)に全例登録致します。詳しくは下記NCDの患者様向け資料をご覧下さい。
NCD事業に不参加の意思を表明される場合、またはご不明な点は主治医にご相談ください。一度決めた意思表明は撤回することが可能であり、不参加や意思表明による不利益は生じません。
日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)
本研究の目的は、運動器疾患の手術に関する大規模データベースを作り上げることです。整形外科が扱う運動器疾患は、小児から高齢者まで幅広い方々を悩ませ、多くの方の健康寿命を損なう大きな原因となっています。全国の整形外科で情報を共有できるシステムを作り上げることは、有効な治療法や手術の安全性を科学的に確立するために大変有用です。
日本整形外科学会が作りあげるこの大規模データベースに参加・協力し、より良い治療を探って参ります。
JOANRに不参加の意思を表明される場合、またはご不明な点は主治医にご相談ください。一度決めた意思表明は撤回することが可能であり、不参加や意思表明による不利益は生じません。
日本外傷データバンクへの外傷患者登録(Japan Trauma Data Bank: JTDB
重症患者さんに行っている診療とその結果に関する情報を、日本救急医学会と日本外傷学会が日本外傷データバンクとして全国規模で広く集積することで、各施設における外傷診療のデータを全国データと比較することにより各参加施設における診療の現状を明らかにし、診療の質向上に寄与することを目的とします。さらに、集積された全国データを分析することで、どの診療行為が予後を改善し得るか明らかにすること、診断精度の向上、予後予測指標の作成などの研究を実施することによって、本邦全体の外傷診療システム向上に寄与することを併せて目的としています。
JTDBに不参加の意思を表明される場合、またはご不明な点は主治医にご相談ください。一度決めた意思表明は撤回することが可能であり、不参加や意思表明による不利益は生じません。