平成29年4月1日より神奈川県央医療圏で唯一の救命救急センターとして始動いたしました。本年度より救急科専従医を10名に増員(うち救急専門医8名、外科専門医2名、精神保健指定医1名、外傷専門医2名、集中治療専門医3名)し、救急専用病棟を20床整備することで、「断らない救急」をスローガンに救急患者の受け入れを強化します。
救命センター開設に伴い、昨年度まで受け入れ困難であった外傷、中毒、環境障害といった特殊な病態に対しても幅広く対応していくと同時に、軽傷・中等症の救急患者の受け入れはこれまで通り行っていきます。
救急科は救急搬送された患者様の初療全般を行い、入院加療を要すると判断した場合には専門診療科へのコンサルトを行います。また、多発外傷、中毒、熱傷、心肺停止後症候群といった重篤な救急患者に対しては、救急専用病棟において救急科が主科として入院後治療を行っていきます。
今後も増加し続けると予想される救急搬送患者を可能な限り受け入れ、適切な急性期治療と周辺医療機関との緊密な連携により、転院搬送や自宅退院までを視野に入れた救急医療の潤滑な流れを構築できることを目指します。
主な対象疾患・症状
軽傷から重症まで救急搬送される患者様を幅広く対応いたします。特殊疾患(外傷、中毒、環境障害等)も診療可能となっています。また、診断が確定していない患者様に関する近隣医療機関からの紹介も診察させていただきます。
猪口 貞樹 (いのくち さだき) 顧問 | |
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大学 | 慶應義塾大学(1978年卒) |
資格 |
日本救急医学会 救急科専門医・指導医 日本外科学会 外科認定登録医・指導医 日本消化器外科学会 認定医・指導医 日本熱傷学会 熱傷専門医 日本外傷学会 外傷専門医 日本高気圧環境・潜水医学会 高気圧医学専門医 東海大学医学部外科学系救命救急医学 客員教授 海上保安庁メディカルコントロール協議会 副会長 日本学術会議連携会員 |
山際 武志 (やまぎわ たけし) センター長 | |
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大学 | 東海大学(2001年卒) |
資格 | 医学博士 日本救急医学会 救急科専門医・指導医 日本外科学会 外科専門医 日本外傷学会 専門医 東海大学医学部救命救急医学 准教授 |
経歴 |
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名取 穣治 (なとり じょうじ) メディカルコントロール室 室長 | |
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大学 | 山形大学(1986年卒) |
資格 |
医学博士 日本救急医学会 救急科専門医 日本外科学会 外科専門医 日本消化器外科学会 認定医 身体障害者福祉法第15条に基づく指定医師 マンモグラフィ検診精度管理中央員会 認定読影医 外傷技能指導員臨床研修指導医 JPTEC世話人 MCLS世話人 JATECプロバイダー 日本医科大学 客員講師 |
若井 慎二郎 (わかい しんじろう) 医員 | |
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大学 | 琉球大学(2002年卒) | 資格 |
日本救急医学会 救急科専門医 日本外科学会 外科認定登録医 日本外傷学会 外傷専門医 日本高気圧環境潜水医学会 高気圧医学専門医 ICD制度協議会認定 Infection Control Docter 日本救急医学会 ICLSコースディレクター AHA-ACLSインストラクター JATECシルバーインストラクター 湘南地区JPTEC世話人 日本DMAT隊員(統括DMAT登録者) 日本DMATインストラクター 臨床研修指導医 |
日比野 壮功 (ひびの たけのり) 医員 | |
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大学 | 名古屋大学(2004年卒) | 資格 |
日本救急医学会 救急科専門医 日本内科学会 総合内科専門医 ICD制度協議会認定Infection Control Doctor 日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定指導医 日本救急医学会ICLSコースディレクター AHA-ACLSインストラクター JMECCインストラクター |
三浦 直也 (みうら なおや) 医員 | |
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大学 | 香川大学(2007年卒) | 資格 |
医学博士 日本救急医学会 救急科専門医 日本集中治療医学会 集中治療専門医 |
伊倉 崇浩 (いくら たかひろ) 医員 | |
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大学 | 近畿大学(2008年卒) 横浜市立大学 大学院修了 |
資格 |
医学博士 日本救急医学会 救急科専門医 日本精神神経学会 精神科専門医・指導医 精神保健指定医 ICLSプロパイダー JATECプロバイダー |
湯川 高寛 (ゆかわ たかひろ) 医員 | |
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大学 | 東京医科歯科大学(2010年卒) | 資格 |
日本内科学会 総合内科専門医 日本救急医学会 救急科専門医 日本集中治療医学会 集中治療専門医 |
佐藤 雄一 (さとう ゆういち) 医員 | |
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大学 | 埼玉医科大学(2013年卒) | 資格 | 日本内科学会 認定内科医 |
2019年1月〜12月
- 災害対策本部訓練 1回/年
- 県央救急救命研究会 2回/年
- BLS,ICLS,MCLS,ITLS etc.の講習会
- 湘南メディカルコントロールによるJPTEC、外傷、心肺蘇生セミナー参加
- ビッグレスキューかながわ参加
- 海老名市救急隊向け勉強会 4回/年
救急患者受入れ数
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | ||
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救急外来受診者数 | 18,953 | 18,333 | 17,863 | |
うち 救急車の状況 | 要請数 | 9,121 | 9,095 | 8,841 |
受入数 | 8,368 | 8,418 | 8,398 | |
受入率 | 91.7% | 92.6% | 95.0% |
救急患者重症区分件数 (2019年4月〜2020年3月)
(件数)
項目 | 4〜9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 計 | |
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救急車受入数 | 4,269 | 703 | 669 | 769 | 716 | 639 | 633 | 8,398 | |
うち入院患者数 | 1,729 | 325 | 293 | 313 | 299 | 270 | 302 | 3,531 | |
うち重症区分 | 932 | 174 | 152 | 189 | 188 | 183 | 189 | 2,007 | |
1 | 病院外心停止 | 92 | 26 | 13 | 21 | 25 | 28 | 28 | 233 |
2 | 重症急性冠症候群 | 67 | 13 | 14 | 15 | 15 | 9 | 18 | 151 |
3 | 重症大動脈疾患 | 28 | 2 | 4 | 10 | 6 | 4 | 7 | 61 |
4 | 重症脳血管障害 | 64 | 10 | 11 | 20 | 12 | 9 | 13 | 139 |
5 | 重症外傷 | 148 | 20 | 29 | 22 | 25 | 26 | 27 | 297 |
6 | 重症熱傷 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
7 | 重症急性中毒 | 4 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 11 |
8 | 重症消化管出血 | 38 | 11 | 13 | 10 | 11 | 10 | 8 | 101 |
9 | 重症敗血症 | 307 | 58 | 48 | 53 | 56 | 68 | 54 | 644 |
10 | 重症体温異常 | 14 | 0 | 1 | 4 | 1 | 2 | 2 | 24 |
11 | 特殊感染症 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 |
12 | 重症呼吸不全 | 20 | 2 | 3 | 3 | 5 | 2 | 5 | 40 |
13 | 重症急性心不全 | 17 | 2 | 2 | 6 | 2 | 3 | 4 | 36 |
14 | 重症出血性ショック | 4 | 2 | 1 | 1 | 2 | 2 | 0 | 12 |
15 | 重症意識障害 | 12 | 2 | 0 | 3 | 0 | 2 | 3 | 22 |
16 | 重篤な肝不全 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 |
17 | 重篤な急性腎不全 | 2 | 0 | 0 | 1 | 5 | 2 | 0 | 10 |
18 | その他の重症病態 | 110 | 23 | 10 | 19 | 21 | 15 | 18 | 216 |
学会・論文発表
第46回 日本救急医学会総会 |
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救命救急センター開設による地域救急医療への影響 救命センター開設からの画像診断に対しての取り組み 高血糖性昏睡との鑑別に難渋した孤発性神経核内封入体病の一例 偶発性低体温症における死亡危険因子の検討 |
第46回 日本集中治療学会 |
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有機リンが疑われたが異なる農薬中毒であった症例 西野 智哉 |
第69回 日本救急医学会関東地方会 |
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点眼薬でアナフィラキシーを認めた一例 American Burn Association 50thAnnual Meeting |
海老名総合病院事業計画に基づき「断らない救急」、すなわち24時間365日救急患者を総て受入れられる救急体制の構築を目差しております。