診療科・部門

整形外科

診療科紹介

診療科紹介 整形外科

整形外科は骨・関節のみではなく、脊椎、脊髄、末梢神経、筋、靱帯を含めた極めて広い対象を扱う診療科です。 その対象は脊椎・脊髄、上肢(肩、肘、手、手指)、下肢(股、膝、足、足趾)など広範囲に及び、また小児から成人、高齢者まで全ての年齢層が対象になり、その内容は多様で治療の必要な患者数が極めて多いのが特徴です。

整形外科では単に手術療法のみを行うのではなく、各種の保存療法、とくにリハビリテーションとは密接な連携をとりながら診療をすすめています。時代とともに整形外科の中にも専門分化がすすみ、各分野での進歩につながりましたが、当科では常に「分化と統合」を忘れることなく毎日の診療を遂行しております。

2016年4月より東海大学整形外科の関連病院として再始動し、東海大学整形外科の医師が中心となり診療を行っております。当院には下肢・上肢・脊椎の各部位の専門医がいるため、多様な疾患・外傷の診療・治療に対応可能です。

救急指定病院の機能上、骨折や脱臼、靭帯損傷、腱断裂など外傷症例も多く、関節内に及ぶ複雑な骨折に対しても、関節鏡を併用し、適切な手術を行っております。また可能な限り早期手術を心掛け、早期社会復帰を目指しています。

主な症状・対象疾患
(下肢)
膝関節手術ではスポーツ外傷によるものが多く、膝前十字靭帯損傷、半月板損傷、離断性骨軟骨炎、膝蓋大腿関節亜脱臼障害が主であり、ほぼ全例関節鏡視下手術にて行っています。その他膝関節や股関節の関節リウマチや、変形性関節症に対しては低侵襲の人工関節置換術や各種膝周辺骨切り術を実施しています。
(上肢)
肩関節手術では腱板断裂や反復性肩関節脱臼に対し鏡視下手術を行っています。投球性肩関節障害に対しては、超音波断層撮影、MRIを駆使した鑑別診断を行い、手術療法のみでなくリハビリテーションと密接に協力し適切な治療を行っております。
(脊椎脊髄)
腰部椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などの腰椎変性疾患、側弯症などの脊柱変形、頚椎症や後縦靭帯骨化症による頚部脊髄症などすべて対応可能です。
専門分野

スポーツ傷害に対して積極的に取り組んでおります。膝、肩、足関節の手術は関節鏡視下の手術を基本とし、膝前十字靭帯損傷には半腱様筋腱を用いた解剖学的2重束再建術を主に行っており、症例に応じて骨付き膝蓋腱を用いた解剖学的再建術も施行しております。

また反復性膝蓋骨脱臼に対する内側膝蓋大腿靭帯再建術や足関節靭帯再建術なども行っております。半月板損傷に対しては極力縫合を行い、変形性膝関節症への進行を予防しています。肩関節不安定症には関節唇修復、関節包縫縮術を行い、再発率は5%以内です。

また、変形性膝関節症や大腿骨顆部骨壊死症に対しては、高位脛骨骨切り術などの関節温存手術を積極的に行っております。人工膝関節全置換術は最小侵襲手術(皮膚切開長7-10cm)にて行っており、術後の早期退院(術後2週間)、早期社会復帰を心掛けています。

外来担当医表

外来は、基本的に海老名メディカルプラザで行っており、海老名総合病院では専門外来として、下記の外来を行なっております。

外来日
木曜日 午前 【膝・スポーツ外来】
対象疾患
膝関節を中心とした下肢疾患や外傷、または膝以外のスポーツ障害
外来日
土曜日(第2・4のみ) 午前 
対象疾患
肩に関する疾患、または骨折による外傷について

※紹介状をお持ちの患者さんが対象となります。

医師紹介

持田 讓治(もちだ じょうじ) 顧問
大学 慶應義塾大学(1975年卒)
資格 医学博士
日本整形外科学会 整形外科専門医
日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科専門医・指導医
※東海大学 名誉教授
専門分野 脊椎・脊髄外科
高垣 智紀(たかがき とものり) 部長
大学 東海大学(1999年卒)
資格 日本整形外科学会 整形外科専門医
日本整形外科学会 認定スポーツ医
日本整形外科学会 認定リウマチ医
日本体育協会 公認スポーツドクター
東海大学アメリカンフットボール部 TRITONS チームドクター
※東海大学医学部外科学系整形外科学 講師
専門分野 膝関節外科、スポーツ医学
橋本 紘行 (はしもと ひろゆき) 医長
大学 東海大学(2005年卒)
資格 日本整形外科学会 整形外科専門医
日本体育協会 公認スポーツドクター
※東海大学医学部外科学系整形外科学 講師
専門分野 肩関節外科、四肢骨・関節外傷
札川 夢(さつかわ ゆめみ) 医員
大学 東海大学(2015年卒)
資格 日本整形外科学会 整形外科専門医
※東海大学医学部外科学系整形外科学 助教
専門分野 手、肘関節外科、四肢骨
池田 信介(いけだ しんすけ) 医員
大学 北里大学(2013年卒)
資格 日本整形外科学会 整形外科専門医
※北里大学医学部整形委外科学 助教
専門分野 脊椎・脊髄外科、手術部位感染症
山本 竜星(やまもと りょうせい) 医員
大学 信州大学(2019年卒)
資格 ※東海大学医学部外科学系整形外科学 助教
専門分野 四肢骨・関節外傷

臨床活動実績

手術件数

2023年1月~12月

総件数 822
鏡視下靭帯形成術 16
骨切り術 21
下肢人工関節置換術 33
膝鏡視下手術 51
鏡視下腱板断裂手術 14
論文発表

髙垣智紀:膝周囲骨切り術における静脈血栓塞栓症予防の検討.
第96回日本整形外科学会学術総会.2023

橋本紘行:肩鎖関節脱臼 Rockwood 分類 type ⅤにおけるPhemister変法
(four in one procedure)の手術成績:第96回日本整形外科学会学術総会.2023

髙垣智紀:内側半月板後根損傷に対し、内側開大式脛骨粗面下骨切り術を併用したMMPRT修復術の治療成績.第95回日本整形外科学会学術総会.2022

髙垣智紀:Opening wedge 粗面下骨切り術と Opening Wedge 高位脛骨骨切り術術後の膝蓋大腿関節の検討.12th JOSKAS, 2020.

髙垣智紀:Medial Opening Wedge 高位脛骨骨切り術における Medial Proximal Tibial Angle の検討.10th JOSKAS,2018.

髙垣智紀:Opening Wedge 高位脛骨骨切り術術後の関節軟骨再生の検討.9th JOSKAS,2017.髙垣智紀:膝前十字靭帯損傷に合併する半月板損傷の検討.第43回 日本整形外科スポーツ医学会, 2017.

T.Takagaki et al:Evaluation of Patello-Femoral Joint after Opening Wedge Distal Tuberosity Osteotomy versus Opening Wedge High Tibial Osteotomy.JOSKAS.2021

T.Takagaki et al:Evaluation of Medial Proximal Tibial Angle for Medial Opening Wedge High Tibial Osteotomy. JOSKAS.2018

T.Takagaki et al:Evaluation of Cartilage Regeneration after Opening Wedge High Tibial Osteotomy. JOSKAS. 2017

髙垣智紀:変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術術後のスポーツ活動.日本整形外科スポーツ医学会誌.2016

持田讓治:腰椎椎間板ヘルニアロコモティブシンドロームを構成する疾患ロコモティブシンドロームのすべて.日本医師会雑誌, 2015.

J Mochida et al:Intervertebral disc repair with activated nucleus pulposus cell transplantation: A three-year, prospective clinical study of its safety.European Cells and Materials, 2015

診療科・部門に関連する情報