NST(エヌ・エス・ティー)とはニュートリション・サポート・チームの略で「栄養サポートチーム」のことです。
栄養状態が悪いと身体の機能が衰え、様々な病気の原因となります。また、治療をしっかりと行うことが出来なくなってしまいます。
海老名総合病院では、平成16年に多職種が集まりNSTを立ち上げました。特に当院では患者さんのQOLの向上のため、できる限り「口から食べること」を最終目標とした活動を目指しています。
NSTは1970年にアメリカのシカゴで誕生したチーム医療です。
代謝・栄養学に精通している医師・薬剤師・栄養士らが患者の立場に立った専門的な栄養管理チームの必要性を唱えたのが始まりとされています。
医療における栄養管理は、すべての疾患治療の上で、共通する基本的医療の一つです。栄養管理をおろそかにすると、どのような治療も効果を発揮することができません。そればかりか、栄養障害が原因で種々の合併症を起こしてしまいます。
適正な栄養管理が実施されてはじめて医療・医学が形作られるとされています。
栄養管理を適切に行うことで、次のような効果があります。
- 褥瘡の改善
- 術後創傷治癒遅延の改善
- 院内感染症の防止
- カテーテル感染等の合併症の予防
- 在院日数の短縮
いずれも患者さんにとって利益となることばかりです。
具体的にNSTはどんな方に介入するのでしょうか?
- 入院してからの食事摂取量が少ない方
- 血液検査データで栄養状態が悪い
- 絶食が長期間続いている
- 意図しない体重減少が認められる
- 日常生活動作の低下が認められる
などなど、栄養状態が悪い人、これから栄養状態が悪くなる可能性のある人、上手く食べられない人が対象となります。
実際には主治医やスタッフからの依頼を受けて活動しています。
(1) 回診とカンファレンスの実施
毎週水曜日に栄養サポートが必要な患者さん一人一人のベッドサイドに伺い、「安全に食べることはできるか?」「栄養補給をする方法は何が一番良いか?」など、患者さんのQOLが向上する方法を職種の垣根を越えて話し合います。
実際の回診風景

プレカンファレンス

病棟回診

ベッドサイド評価①

ベッドサイド評価②

嚥下造影検査

体重測定

カンファレンス
(2) NST勉強会の開催
地域の医療職の方も交え、毎月1回第4水曜日の18時から約1時間、開催しています。広く栄養サポートに関する知識の習得に努めると共に、地域医療支援病院として、地域の多職種との交流を積極的に行っています。

症例検討会

公開勉強会
年間勉強会スケジュール
平成23年度
| 開催月 | テーマ | 担当部署 |
|---|---|---|
| 4 | 情報を共有し知識を深めよう! 学会発表報告 |
看護部 |
| 5 | 栄養療法とは?NSTとは? | 歯科口腔外科医 |
| 6 | 栄養評価~検査値から判断しよう~ | 臨床検査技師 |
| 7 | 腸管免疫と食物繊維 | 企業 |
| 9 | 輸液製剤の種類・用途 | 薬剤師 |
| 10 | 胃瘻管理のツボ!・困難症例検討会 | 退院支援委員会・ NST・ 内視鏡センター |
| 11 | 脳血管患者の嚥下障害 | 脳神経外科医 |
| 1 | リハビリと栄養 | 理学療法士 |
| 2 | 口腔ケア | 歯科衛生士 |
| 3 | 症例検討会 | NSTコアスタッフ |
平成22年度(過去開催実績)
| 開催月 | テーマ | 担当部署 |
|---|---|---|
| 4 | 嚥下5期によるリハビリアプローチ 研修会報告&学会発表報告 |
理学療法士 |
| 5 | NST対象者の口腔内実態について (口腔ケアの実技) 学会発表報告 |
歯科衛生士 |
| 6 | 在宅での栄養管理 | 訪問診療医 |
| 7 | 摂食・嚥下障害患者の検査法 (VE・VF評価法) |
歯科口腔外科医 |
| 9 | 公開勉強会(NSTとは?) | 脳神経外科医 |
| 10 | 経腸栄養ポンプ・間接熱量計について | 管理栄養士 |
| 11 | 簡易懸濁法導入後の現状と課題 | 薬剤師 |
| 1 | 症例検討(TNT教材を用いて) | NSTコアスタッフ |
| 2 | 当院におけるCONUT法の評価 | 臨床検査技師 |
(3) 地域連携への取り組み
NSTが介入した患者さんに対し、退院時に連絡票(サマリー)を作成し、栄養サポートを引き続き受けることができるよう地域連携に努めています。

- NST・嚥下連絡票
用紙は以下のホームページからダウンロードできます
PDN(NPO法人 PEGドクターズネットワーク)
http://www.peg.or.jp/network/kanagawa/
神奈川摂食嚥下リハビリテーション研究会
http://kanagawaenge.web.fc2.com/i/kennkyuukai/ver.2.pdf
歯科医師・医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・歯科衛生士・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師と多くの専門家が関わり患者さんを支えます。

私たちは、JSPEN(日本静脈経腸栄養学会)とJCNT(日本栄養療法推進協議会)からNST稼動施設として認定を受け、日々活動しています。



























