診療科・部門

放射線科・IVR科

診療科紹介

診療科紹介 放射線科・IVR科

放射線科・IVR科の診療は主に画像診断とIVR( Interventional Radiology =画像下治療)です。画像診断は、各診療科医師からの依頼を受け、様々な検査機器を用いて全身のあらゆる部位を画像化し、その画像をもとに行われる総合的な診療です。

放射線科・IVR科は放射線技術科、臨床検査科エコー室と共同して、CT・MRI・超音波・各種造影(上部消化管、下部消化管、血管造影など)・単純写真・マンモグラフィ等の画像診断を必要かつ適切に実施し、診断に適するように画像を管理し、そして画像診断を行います。 診断結果は読影レポートにて各診療科に報告し、主治医の診断に役立てられます。また、画像診断を死因究明等に役立てる Ai(死亡時画像診断)も行っております。

放射線科・IVR科はコンピューター及びネットワークの性能向上による医用画像検査機器の急速な発展の恩恵を受けることが大きく、現代の先端医療水準を支える重責を担っています。現在、放射線科・IVR科では常勤医7名と複数名の非常勤医師により業務をおこなっております。 放射線科・IVR科医師は患者さんと直接お会いすることは少ないのですが、画像診断を通じて各診療科や多くのスタッフ、近隣の医療機関を結ぶ横断的な診療科として皆様のお役に立てるよう心がけております。

IVRとは各種の画像診断機器を利用して行う検査・治療手技のことです。カテーテルという細い管や細い針を血管や臓器に挿入・操作することにより、より身体への負担を少なく検査を行うこと可能であり、また病気をピンポイントで治療が可能です。大部分が局所麻酔で行うことができ、一般的な手術と比べると身体への負担は少なく、体の傷口も針孔程度のものが殆どです。

私たちは各診療科と協力して手技を施行しており、患者さんはそれぞれの疾患に応じた科を受診あるいは直接IVR科を受診していただき、最適な検査や治療を受けていただいております。
現在、IVR専門医2名とVAIVT血管内治療医1名によりIVRを実施していますが、患者さんにとって最も適切かつ有益な医療を受けていただけるよう各診療科の先生と協力しておこなっております。

特徴・特色

IVR科ではIVR外来(毎週月曜日午後)を設けております。各種IVRの紹介、相談を受け付けております。
また、当科では婦人科の協力の下、子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(UAE治療)をおこなっております。
(詳細については、こちらをクリックください。)
この他にも、中心静脈ポート留置や透析シャントPTA、経皮的生検なども受け付けております。

当科で施行可能な主なIVR診療
  • 子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(UAE) [婦人科]
  • 中心静脈カテーテル挿入や中心静脈ポート留置 [外科、婦人科、血液内科] 
  • 肝腫瘍に対する肝動脈化学塞栓療法(TAE、TACE) [消化器内科、外科]
  • 肝腫瘍に対する動注化学療法 [消化器内科、外科]
  • 骨盤内悪性腫瘍に対する動注化学療法 [婦人科、泌尿器科]
  • 産科危機的出血に対する緊急子宮動脈塞栓術 [産科]
  • 多発性嚢胞腎や腎破裂に対する腎動脈塞栓術 [腎臓内科、泌尿器科]
  • 脾機能亢進症に対する部分的脾動脈塞栓術(PSE) [血液内科、消化器内科]
  • 胃静脈瘤に対するバルーンを用いた塞栓術(BRTO) [消化器内科]
  • 消化管出血に対する動脈塞栓術 [消化器内科、救急科]
  • 肺動静脈奇形・慢性気管支炎による喀血に対する気管支動脈塞栓術 [呼吸器内科、呼吸器外科]
  • 内臓動脈瘤に対する塞栓術 [消化器内科、外科、泌尿器科]
  • 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(シャントPTA、VAIVT) [腎臓内科]
  • 経皮的腎動脈形成術(PTRA) [循環器内科]
  • 急性動脈閉塞に対する血栓溶解療法 [心臓血管外科] 
  • 閉塞性動脈硬化症に対する経皮的血管拡張術 [循環器内科]
  • 下大静脈フィルター留置術 [循環器内科]
  • 外傷などによる出血に対する緊急止血塞栓術 [救急科、外科、整形外科、泌尿器科など]
  • 血管内異物除去術 [様々な科]
  • 副腎静脈サンプリング [糖尿病科]
  • CTや超音波などの画像ガイド下経皮的膿瘍・膿胸ドレナージ術 [外科、呼吸器内科など]
  • CTや超音波などの画像ガイド下経皮的生検 [様々な科]
  • PTBD、PTGBDや胆管ステント留置 [消化器内科、外科]
  • 腎瘻造設、尿管ステント留置、膀胱瘻造設 [泌尿器科]
  • ラジオ波焼灼治療(肝腫瘍、腎腫瘍、肺腫瘍、骨腫瘍など) [消化器内科、泌尿器科など]
  • 緩和領域のIVR(大静脈ステント留置、神経ブロック、腹水、腸液ドレナージ、経皮的椎体形成術、ラジオ波焼灼術、動脈塞栓術など) [外科、消化器内科、呼吸器内科、婦人科など]
  • イレウス管挿入、透視下胃瘻造設、PTEG、食道ステント留置 など [外科、消化器内科]

( ) 内:略称
[ ] 内診療科 :当院の窓口となる主な診療科

上記以外にもIVRを施行しており、血管系IVRのみならず、非血管系IVRも多数施行しておりますので、ご相談ください。

医師紹介

小野 由子(おの ゆうこ) 顧問
大学 東京女子医科大学(1973年卒)
資格等 日本医学放射線学会 放射線診断専門医・指導医
厚生労働省 臨床修練専門医
厚生労働省 臨床研修指導医
日本医師会 認定産業医
※東京女子医科大学 監事・名誉教授
※戸田中央病院 脳神経外科顧問
※一般社団法人 至誠会監事
吉田 慶之(よしだ よしゆき) 放射線科部長、IVR科部長
大学 旭川医科大学(1999年卒)
資格 日本医学放射線学会 放射線診断専門医・指導医
日本IVR学会 IVR専門医・指導医
日本核医学会PET核医学認定医
厚生労働省 臨床研修指導医
医療安全管理者講習修了
内山 史生(うちやま ふみお) 部長
大学 日本医科大学(1996年卒)
資格 日本医学放射線学会 放射線診断専門医・指導医
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会 認定読影医
肺がんCT検診認定医師
厚生労働省 臨床研修指導医
※神奈川県放射線科医会 理事
奥本 忠之(おくもと ただゆき) 放射線科医長
大学 東北大学(1997年卒)
資格 日本医学放射線学会 放射線診断専門医・指導医
厚生労働省 臨床研修指導医
VAIVT血管内治療医
澁川 絢子(しぶかわ あやこ) 医員
大学 日本医科大学(2006年卒)
資格 日本医学放射線学会 放射線診断専門医・指導医
厚生労働省 臨床研修指導医
日本IVR学会 IVR専門医
中村 法子(なかむら のりこ) 医員
大学 東海大学(2013年卒)
資格 日本医学放射線学会 放射線診断専門医・指導医
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会 認定読影医
中島 健人(なかじま けんと) 医員
大学 金沢医科大学(2014年卒)
資格 日本医学放射線学会 放射線診断専門医・指導医
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会 認定読影医
日本医師会 認定産業医
岩﨑 莉瑛 (いわさき りえ)
大学 日本大学(2015年卒)
資格 日本医学放射線学会 放射線診断専門医

臨床活動実績 (2022年1月~12月)

項目 件数
CT 21,615件
MRI 10,815件
エコー 9,646件
IVR 828件※
造影検査 719件
マンモグラフィ 963件

※血管系361件、非血管系467件

メッセージ・今後の展望

画像診断は現在の診断学の中でも重要な部分を占めています。迅速かつ適確な診断が下せるよう各診療科に情報を提供していきたいと考えています。
また、IVRは患者さんにとって低侵襲な検査、治療法であり、今後も有益かつ発展する分野と考えます。
より多くの患者さんに有益かつ最適な検査・治療を行えるよう努めていきたいと考えています。

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